買い物環境の確保に向けたIT×配送による実証実験を実施

鳥取県内はもちろん、人口減少・少子高齢化が進む全国各地の中山間地域においても、流通機能や交通網の弱体化とともに買い物環境が悪化し、食料品等の日常の買い物が困難な状況に置かれている人々、いわゆる買い物弱者のサポートが緊急の課題となっています。「未来の田舎プロジェクト」の拠点である隼Lab.がある八頭町船岡地域でも、2023年に地域唯一のスーパーが閉店し、近隣に住む特に高齢の住民においては、日常生活に不便が生じています。

そのような中、株式会社アクシス(本社:鳥取県鳥取市 代表取締役:坂本哲、以下 アクシス)は、八頭町(町長:吉田英人)と連携し、船岡地域を対象に超地域密着型生活プラットフォーム「Bird」が展開するネットモール「トリスト」を活用した買い物環境の確保を実現ための実証実験を11月に開始しました。

実証実験の内容としては、隼Lab.を含む地域内にある4箇所の公共施設に設置された端末で、利用者がインターネットを通じて食料品や日用品を選んで注文すると、アクシスが運営する配送サービス「トリスト」を通じて自宅や公共施設に商品が届けられる、というものです。

実証実験のイメージ図(アクシスHPより)

「トリスト」に加盟する八頭町内のスーパー(サンマート郡家店)やホームセンター(ジュンテンドー郡家店)から、注文の品を積んだ専用車が自宅や公共施設まで商品を運ぶ。

11月7日には、隼Lab.を会場にサービスへの登録作業の受付が実施され、「トリスト」のスタッフのサポートを受けながら80〜90代の住民が名前や住所などの情報を紙に書いてサービスに登録。実証実験中は、各公共施設に設置されたパソコン等を活用し、各地区で週に一度「トリスト」のスタッフの支援を受けながら注文を行うことができます。注文を受けた商品は、週に2回、各地区の公共施設または自宅で受け取ることが可能です。

「トリスト」スタッフの支援を受けながら、パソコンを使って商品の注文を行う住民。

今回の実証実験のポイントは、実際に地域住民の方々の日常生活の中でサービスを使っていただくことを通して、具体的な課題点や常用に向けた可能性を探るとともに、県内のIT企業や地域のスーパーやホームセンターなどの店舗とも連携して、地域内で買い物弱者をサポートするシステムの構築を目指している点です。今後、実証実験で得た知見をもとに、八頭町におけるITを活用した買い物支援の住民ニーズを検証や公民館等の活用による、買い物支援や共助、コミュニティの再形成など官民連携の動きについても引き続き検証を進めます。